普段使いの日焼け止め化粧品は「ノンケミカル」を選ぶ [紫外線とその対策について]
日焼け止め化粧品には大きく分けて
1.紫外線吸収剤配合のもの
2.紫外線散乱剤配合のもの
この2つになります。
しかし、どちらも肌に負担を与えるものばかりですので、出来れば配合されていない
日焼け止め化粧品を選びたいものです。
昔はPABA(パラアミノ安息香酸)が使用されていましたが、これはかぶれを起こしやすい
という問題があり、90年代以降は使われなくなりました。
選ぶならノンケミカルタイプを
1の紫外線吸収剤として、パルソールA、メギゾリルSX、桂皮酸、オキシベンゾンなどが
ありますが、肌の上で化学変化を起こすので、肌に対して刺激になって肌荒れを起こす
ことがあります。
2の紫外線反射剤には酸化チタン、タルク(滑石)、カオリン(陶土)、酸化亜鉛などが
あり、肌の上に薄い皮膜を作り紫外線を反射します。ただし、厚く塗ると粉っぽくなり、
粉が皮脂を吸収するので乾燥肌になりやすい傾向があります。
このため、ノンケミカルタイプを選ぶ方が良いでしょう。
選ぶならクリームタイプを
そして、日焼け止め化粧品にはスプレー式やローションタイプなどいろいろありますが
中でも、クリームか乳液タイプのものが比較的肌にはやさしいようです。
日常使う分には、ウオータープルータイプ(耐水性)は不要でしょう。
このタイプはかなり落ちにくいため、クレンジングも強力なものが必要になり、結果と
して、肌を傷めたり、乾燥肌になるのを促進したりします。
また、化粧下地やファンデーションに日焼け止め効果を含んだものがありますが、これは
紫外線吸収剤を含んでいることが多いので、ノンケミカルのものを選んだ方が無難です。
役に立つのは日焼け対策用の帽子
これからの季節には帽子が良いかもしれませんね。
ノンケミカルタイプのものを選んだなら、帽子を使うだけで紫外線の
影響をグンと減らすとが出来ます。
風に飛ばされにくいノンキャップタイプですので、アウトドアや
ガーデニングなど気にせず用できます。
★シミなどの原因になる紫外線を何とか防ぎたい
★子供を外で元気に遊ばせたいが日焼けが心配
★ガーデニングや運動時に着用したいので手が自由になるものがいい
★海や川、登山など長時間のアウトドアにも使えるものがいい
★どうせならデザイン的にもイケてるものがいい
このような方には日本より紫外線が強いとされるオーストラリアで実績のある
紫外線をシャットアウトする帽子
フリルネックU.T.Eがおすすめです。
素材別、形状別に6種類のモデルが用意されています。
UVケア化粧品のPA値とは? [紫外線とその対策について]
紫外線対策としてSPF20程度の化粧品を使用すると良いということを
「UVケア化粧品のSPFとは?」でお話ししました。
それでは、もう一つの指標PA値とはどのような意味でしょうか?
紫外線にはA波(UVA:波長320~400nmの長波紫外線)と
B波(UVB:波長280~320nm)あります。
SPFはこのB波をカットする力を表していますが、PAはA波をカットする
力を表しています。(PA:Protection Grade of UAの略)
このPAは+~+++で表現されます。
何故、こんなあいまいな表現なのかというと、測定が難しいからです。
紫外線B波は当たってから3~4時間でサンバーンを起こしますが、紫外線A波は
サンバーンを起こすまで数日かかります。
この測定は実際に人の肌を使って行われるので、正確な測定は無理なのでしょう。
なお、PA値は日本独自の表示です。
PA+ 効果がある
PA++ かなり効果がある
PA+++ 非常に効果がある
日焼け止め化粧品を選ぶときには、案外SPFだけしか見てないようです。
PA値はSPF値より後からできたことと、表現があいまいなので、数値で表されるSPF値
の方が好まれるせいかもしれません。
でも、実際にはA波の方が肌の奥深く(真皮)まで浸透し、シミやシワの元になるので、
こちらの方が老化の原因になります。
おおまかに言うとSPFとPAの関係は以下のようになります。
朝のゴミだし SPF10~20 PA+
買い物などの外出 SPF20~25 PA++
テニス、ゴルフ SPF 25~30 PA+++
曇った日の海や山のレジャー SPF30~40 PA+++
炎天下の海や山のレジャー SPF40~50 PA+++
UVケア化粧品のSPFとは? [紫外線とその対策について]
紫外線対策のために販売されている化粧品にはほとんどSPF○○と表示されて
いるだろうと思います。
このSPFとはどのような意味なんでしょうか?
中にはすでにご存じの方多いと思います。
でも、このSPF値が高ければそれだけシミができないかというとそうでもないようです。
SPFは”Sun太陽 Protection防止 Fact指数”の略です。
紫外線には波長が短く、シミの原因になるB波(UV-B)と波長が長くシワの原因に
なるA波(UV-A)があります。
SPF理とは、紫外線B波をカットする力を示し、何も塗らない状態と比べて、サンバーン
(皮膚が赤くなってヒリヒリすること)が始まるまでの時間を何倍に延ばすことができるか
を表しています。
このSPF値の測定はメーカーに任されているので、多少の誤差があり、同じSPF値で
あっても、差があるようです。
このグラフからわかるように、SPF値がその効果が反映されるのはSPF値10くらいまでで
それ以上は大きく変わりません。
つまり、SPF値10も90も差がないということです。
それと、SPF値が高ければ高いほどシミができにくいということでもありません。
このSPF値が2であることは、サンバーンまでの時間を2倍に延ばせる目安になります。
通常、成人で夏の日差しにいた場合、サンバーンが起きるまで約20分くらいかかると
言われています。したがってSPF値2は約40分はサンバーンが起きない目安です。
しかし、テニスでコートにいる時間が1時間だから、SPF値3の化粧品なら大丈夫かと
言われても、そうではなく、あくまでも赤くならない時間であって、シミやシワにならない
という時間ではないことです。
紫外線は少しでも当たるとシミを作る準備を始めていますから、できるだけ当たらない
ことに越したことはないのです。
それでは、どのくらいのSPF値がいいのかといいますと、皮膚科学会で推奨している
SPF値20が目安になります。おそらく、先ほどのグラフからも20が妥当なところだろう
と思います。そうすれば、わざわざSPF値が高い高価な化粧品を買わずに済みます。
また、SPF値が高いほど肌に与える負担も大きいので、帰宅後はすぐにクレンジングを
行うなどの配慮は必要でしょう。
陽に当たらないと、骨が弱くなるってホント? [紫外線とその対策について]
昔、くる病という病気がありました。
特に北欧や日本では北陸から東北以北に見られました。光に当たる時間が短いために、
骨の発育が遅れ、背中やひざが湾曲したようになるものです。
たとえば、昔東北地方などに行くと老人で背中が曲がった人を多く見かけることがありまし
たがこれはくる病ではなく、骨粗しょう症のひとつです。
女性の場合、頻回の出産(当時は10人以上の兄弟姉妹なんてのは多くありました)の
ため、骨のカルシウムが減ってしまったり、Ca摂取不足などで、骨がスカスカになることから
次第にもろくなり、体重(特に頭蓋骨を含む頭部です)を支えきれなくなり、だんだん湾曲
していくため、このようになります。
骨のCaが不足すると、このような状態になりますが、紫外線はビタミンDを活性化させ、
骨のCaを結合させる働きがあるので、陽に当たる時間が短いと同じようになります。
しかし、今はサプリやビタミン剤なども十分あり、昔のように栄養が不足するということも
ありませんで、むしろ紫外線に当たる時間が少なくても大丈夫です。
それに、紫外線を完全に防ぐことは不可能で、一日通して紫外線には十分当たって
いて、そのくらいでビタミンDの活性化には十分なのです。
紫外線は、むしろ皮膚の老化、光発がん、目の白内障などの弊害の方が大きいので
「陽に当たらないから問題だ」と心配する必要はないようです。